標準顕微鏡組織 CD-ROM ご使用方法
2 パーライトとフェライト
3 パーライト
4 網状セメンタイト
5 球状セメンタイト
6 マルテンサイト
7 トルースタイト
8 ソルバイト
9 上部ベイナイト
10 下部ベイナイト
11 マルテンサイトと残留オーステナイト
12 マルテンサイトと球状セメンタイト
13 マルテンサイトと微細パーライト
14 マルテンサイトとフェライト
15 高周波焼入組織
16 浸炭組織
17 ガス軟窒化
18 脱炭組織
19 過熱組織
20 白銑
21 ねずみ鋳鉄
22 球状黒鉛鋳鉄
23 共晶黒鉛鋳鉄
24 黒芯可鍛鋳鉄
25 鋳鋼
ご注意!! これは試供版です。「顕微鏡組織標準片第1類」25種類の内No.1フェライトのみ御覧になれます。
1. 使用環境
本CD-ROMはインターネットでホームページをご覧になる環境を有する、CD-ROM装備のパーソナルコンピュータ(Macintosh及 びWINDOWS)でご覧になれます。モニター解像度800×600ピクセル,フルカラーでご覧になることをお奨めします。ご使用の環境(コンピュータ,ブラウザー,etc.)によって、見え方や表示速度は若干異なります。
2.起動
ブラウザーを起動し(オフラインでご使用下さい)、「MS CDROM×××」フォルダー内のアイコン「START…」を開いて下さい。図1に示すように目次と表紙が表示されます。詳しい使い方が表紙の下部に表示されますので、必ずお読み下さい。HTML方式の制限のため記号等が正しく表示されない場合には、「顕微鏡組織標準片 解説書」を御参照下さい(第5類を除く)。
3.組織の選択
目次上でご覧なりたい組織の名前又は写真(小)をクリックして下い。図2のように右側のフレームに組織写真及び概要,解説が表示されます。
4.組織写真の拡大
更に拡大してご覧になりたいときは、組織写真をクリックして下さい。約2倍に拡大された写真が表示されます。その拡大写真をクリックすると元に戻ります。
5.組織の部分拡大写真
図2のタイトル及び概要欄の組織名が青い文字で表示されている場合には、その文字をクリックするとその組織名に対応した部分拡大写真が表示されます。部分拡大写真をクリックすると元に戻ります。
6.解説
顕微鏡組織の解説文は画面をスクロールしてご覧下さい。
7.終了
通常のホームページの閲覧と同様の方法で終了して下さい。
8.その他
本CD-ROMは顕微鏡組織標準片の解説書「標準顕微鏡組織」に準じて作成されております。解説書を併せてご参照下さい。
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No.1 フェライト
組 織
白い地はフェライト,黒い細い線は結晶粒界,小さい黒点は介在物または、それが研摩時に抜け落ちてできた跡.
倍 率 ×100
腐食液 3%ナイタル(約12s)
組 成 C 0.02%,Si 0.24%,Mn 0.22%,P 0.005%,S 0.017%
熱処理 950℃×1h 空冷(焼ならし)
硬 さ 40~70 HB
引張強さ 216~314 MPa
伸 び 40~50 %
解 説
フェライトとは純鉄に微量の炭素を固溶したα相の鉄をいう.炭素の最大固溶量は常温で0.008%である.原子配列は体心立方格子で,770℃以下では強磁性体である.
本標準片を検鏡すると,炭素がα相に溶け込んだフェライトの結晶粒とその粒界とが見える.粒界には不純物が集まり易く,また,結晶格子の乱れのため腐食され易く,黒く見える.組織中の黒点は介在物か,またはそれが研摩中にとれて出来た跡(ピット)である.結晶粒子間で色に僅かの差異があるのは,結晶方位の違いにより腐食面の表面状態が異なることによる.
フェライトはオーステナイト領域から急冷してもこの領域での炭素固溶量が少ないので硬化しない.硬化は冷間加工によって起こる.その加工により結晶粒は容易に加工方向に沿って変形する.
冷間加工で硬化するのは格子ひずみによるものであって,硬化した鋼は焼なましをすると,再結晶して軟化する.一般に再結晶による結晶粒の成長は冷間加工度と加熱温度,加熱時間とに関係する.図1.1は軟鋼の例で,結晶粒の大きさに及ぼす加工度,加熱温度との関係を示す.この図によれば加工度8~10%,加熱温度600~800℃のとき結晶粒の粗大化が著しい.